
会社員として20年働きながら、思い切って1年の育児休業を取得。「お金・働き方・人生をどう選ぶか」を考え、本気で未来を変えていくと決めました。
このブログでは、男性育休のリアル、障害児育児、夢を追いかける過程・家族との毎日の気づきを発信しています
はじめに
育休取る予定のパパママ必見👶
— 田畑 真吾 | 公認会計士×Kindle出版 (@TabataShingo) August 11, 2025
知ってるだけで数万円お得になる話。育休中は、社会保険料が免除✨しかも将来の年金額は減らない!
でも取り方にはコツがあります👀
🔸月をまたぐように取ると1ヶ月分免除
例:2/26〜3/1の育休 →2月分の保険料まるまる免除
🔸賞与月は要注意… pic.twitter.com/4NIqJj5mt0
男性育休の取得率は年々上昇していますが、「いつ休むか」のタイミング次第で、受け取れる給付金や手取り額に大きな差が出ます。この差は、最大で数十万円に上ることも。
特に2022年10月、2025年4月の法改正により、男性の育休の取り方(分割取得、短期取得など)は劇的に変化しました。

制度の全貌を理解し、あなたとご家族にとって最適なタイミングを見つけましょう。上手く活用して頂ければと思います。
育休給付金の基本ルール
育休給付金とは
簡単に言うと、【育児休業給付金】とは、
子どもが生まれた後に育児のために仕事を休むとき、雇用保険から支給されるお金のことです。
支給額の基本 | 通常の育児休業(育休) | 産後パパ育休(出生時育児休業) |
---|---|---|
支給率 |
休業開始から180日間:賃金の67% 181日目以降:賃金の50% |
合計80%(実質手取り10割) |
支給期間 | 原則、子が1歳になるまで(最長2歳まで延長可能) | 子の出生後8週間以内に最大28日間 |
上限額(月額) | 約31.5万円(67%期間、令和6年8月時点) | 約29.4万円(出生時育児休業給付金のみ、令和6年8月時点) |
※産後パパ育休は、2025年4月1日施行の「出生後休業支援給付金」により、育児休業給付(67%)に13%が上乗せされ、合計80%(手取りで実質10割相当)になります。



僕の場合、職場の経理担当の方が「産後パパ育休の上乗せ支給」のための手続きを代行してくれたので育休を取ると自動的に適用されました。
適用されるか不安な場合は、担当の方に確認してみてくださいね。
知らないと損する給付金の計算基準
逆に、直前に時短勤務や無給休暇を取ると、給付金が大幅に減る可能性があるため、注意が必要です。
①計算基準は「直前6カ月の給与平均」
支給額は、育休開始直前の6カ月間の給与の平均(賞与を除く)を基に計算されます。
②残業や手当も含まれる
この6カ月には、残業代や各種手当も含まれます。つまり、育休開始直前に残業が多い時期があれば、給付金の基準額が上がり、結果として受給総額が増えます。
- 育休前に残業が多い → 給付金が増える
- 育休前に時短勤務や無給休暇 → 給付金が減る
この仕組みを知らずに「直前に時短勤務していたら、給付金が思ったより少なかった…」というケースもあります。
タイミングで差が出るマネー戦略3原則(法改正対応)
育休の開始日・終了日を1日ずらすだけで、手取り額に数万円の差が出る可能性があるのが、以下の3つのルールです。
①社会保険料(健康保険・厚生年金保険)の免除ルール
育休中は社会保険料が免除されますが、その要件が2022年10月に改正されました。
免除される期間 | 従来のルール(改正後も適用) | 改正後の追加ルール(2022年10月〜) |
---|---|---|
月額保険料 | 月の末日が育休期間中に含まれている月は、その月の保険料が免除。 | 同一月内に14日以上(就業日を除く)育休を取得した場合、その月の保険料が免除。 |
賞与保険料 | 連続して1カ月を超える育休を取得した場合のみ免除(短期取得では免除されない)。 |
- 短期取得(14日以上):月の末日を含まなくても、同月内に14日以上休めば、その月の保険料は免除されます(例:3/5~3/20の育休で3月分免除)。
- 月またぎ取得:月の末日を含んで月をまたいで取得すると、開始月とその後の月(終了月の前月まで)が免除対象となります(例:2/26〜3/1で2月分免除)。
- 賞与月:賞与が支給される月に育休を取る場合、その育休が「1カ月を超える連続した休業」でないと、賞与にかかる社会保険料は免除されません。ボーナス支給月を避けるか、1カ月超の連続取得に合わせて取得することが、手取り最大化の鍵になります。
②ボーナス査定期間との重なり
多くの会社では、ボーナスは過去の勤務実績を基に査定されます。査定期間中に育休に入ると、ボーナスの減額や不支給になる可能性が高いです。
・会社の賃金規定や人事制度を確認し、影響を考慮した時期から育休に入るなど、ボーナス支給への影響を最小限に抑えるタイミングを探りましょう。
③支給額、昇給との関係
育休期間の時期によっては、昇給や昇進の機会を逃す可能性があります。
また、直近6ヶ月の給料が算定の基準額になることから、その期間はしっかり働いていないと、思った以上に少ない給付金になってしまうことも・・・。
・会社の評価スケジュールを確認し、育休に入る時期を調整することで、翌年の給与ベースへの影響を回避できる場合があります。
・会社の繁忙期を乗り越えてから休業することで、休業時の支給額が上がります。
会社にとっても繁忙期に人員が減るリスクを避けられるので、双方にとって良いと思います。
法改正で大きく変わった「男性の育休取得」
2022年10月以降、男性の育休は柔軟性が増し、戦略的な取得が可能になりました。
制度 | 取得の特徴 | マネールール上のメリット |
---|---|---|
通常の育休 | 原則1歳まで(最長2歳まで)。2回まで分割取得可能。 | 180日までは67%給付。分割取得により、給付金や社会保険料の免除タイミングを調整しやすい。 |
産後パパ育休 (出生時育児休業) |
子の出生後8週間以内に最大28日間。2回まで分割取得可能。 | 給付率が80%(手取り実質10割相当)と高い。通常の育休と合わせて計4回の分割取得が可能に。 |
- 高給付率の期間を有効活用: 産後パパ育休の80%給付期間(最大28日)と、通常の育休の67%給付期間(180日)を、家計が最も苦しい時期や、配偶者の負担が大きい時期に集中させる。
- 夫婦で交代取得: 妻の産休・育休と重ならないように調整することで、トータルでの休業期間を延ばし、より長く子育てに集中できる期間を確保できます。
育休前にやっておきたい5つの対策
ここまでの内容を踏まえて、育休前に確認しておくとお得に対策できるポイントをまとめました。
この5つを事前にチェックするだけで、給付金や手取りを最大化しつつ家庭・キャリアのバランスも取りやすくなります。
①直前6か月の給与明細を確認
残業代や手当を把握し、給付金計算の基礎となる賃金日額をシミュレーションする。
必要なら残業や休日出勤の調整で給付金を増やすことも可能。
②ボーナス査定期間を確認
査定期間を避け、ボーナスが満額支給されるタイミングを見極めて育休開始日を調整する。
開始時期を調整することでボーナスを最大化できる場合あり。
③社会保険料免除の「14日ルール」と「月またぎルール」を確認する
・なるべく月末を跨ぐように取得し、翌月も14日以上確保する。
・賞与月には1カ月超の連続取得を検討する。
④昇給・昇進スケジュールを確認する
・必要に応じて評価対象から外れることを避けるため、昇給・昇進の決定時期と育休開始をずらす。
⑤配偶者の休みと会社独自制度を確認
「産後パパ育休」と「通常の育休」をどう組み合わせるか、また会社独自の給与補填制度がないかを確認する。
会社独自の手当や補助が開始月や期間に依存する場合もあるので事前確認しておく。
育休開始タイミングは調整が可能。
法律上のルール
- 育休は 子どもが1歳になるまで(条件により最長2歳まで延長可能)に取得可能。
- 開始日は 出生日直後からでも、数ヶ月後からでもOK。
- ただし、開始日によって 給付金支給額や手続き期間に影響があります。
調整できる範囲
- 出産直後すぐに取得するか、数週間後に取得するかは基本的に自由。
- 会社との業務調整や申請手続きのタイミングに応じて開始日を設定可能。
- 配偶者の休暇と重ならないように調整することで、恩恵を最大化できる場合があります。
・出産直後は仕事が忙しくて休めなかった → 子どもが6か月の時期から育休を取る
・ママの職場復帰に合わせて → 子どもが10か月のときから育休に入る
注意点
- 給付金は 育休開始日が含まれる月までの給与や残業代に基づく ため、開始日を少し動かすだけで支給額が変わる場合があります。
- 会社によっては、申請締め日や手続き期間が決まっている場合があります。ギリギリの調整は要注意。
法律上は日単位で微調整可能ですが、給付金・社保・ボーナス・家庭の状況を総合的に考えて最適な開始日を決めることが重要です。
まとめ|お金・家庭・キャリアの3つをバランスよく考える
- 男性育休の給付金は「直前6カ月の給与」が基準
- 給与だけでなく、ボーナス・社会保険料・昇給・夫婦分割・会社独自制度など、タイミングで損得が変わる要素は多い
- このチェックリストを活用して、お金・家庭・キャリアの3つをバランスよく考えたタイミング設定が大切です
知らないと損する男性育休。制度を正しく理解して、後悔のない育休ライフを送りましょう!
この5つを事前にチェックするだけで、給付金や手取りを最大化しつつ家庭・キャリアのバランスも取りやすくなります。
育児休業給付金および関連制度の根拠(参照元一覧)
項目 | 概要/詳細 | 根拠資料(発行元) | 根拠ページ/URL |
---|---|---|---|
育児休業給付金の支給率(67%/50%) | 休業開始時賃金日額の67%(181日目以降は50%)が支給されること。 | 育児休業等給付の内容と支給申請手続 | 厚生労働省PDF(令和6年6月版)(4・16ページ) |
出生後休業支援給付金(合計80%) | 育児休業等給付に13%上乗せされ、合計で80%(手取り10割相当)となること(令和7年4月創設)。 | 育児休業等給付の内容と支給申請手続 | 厚生労働省PDF(令和6年6月版)(4・16ページ) |
産後パパ育休(出生時育児休業) | 子の出生後8週間以内に4週間(28日)を限度として2回まで分割取得できる制度であること。 | 産後パパ育休|育児休業制度特設サイト(厚生労働省) | 厚生労働省 産後パパ育休ページ |
社会保険料免除の改正(月次) | 育休開始日が含まれる月に14日以上育休を取得した場合も免除となる(令和4年10月改正)。 | 令和4年10月からの社会保険料免除要件改正(日本年金機構) | 日本年金機構HP |
社会保険料免除の改正(賞与) | 当該賞与月の末日を含んだ連続した1カ月を超える育休取得が免除の条件(令和4年10月改正)。 | 令和4年10月からの社会保険料免除要件改正(日本年金機構) | 日本年金機構HP |
制度全般の参照先 | 育児・介護休業法に関する制度概要、改正情報。 | 厚生労働省 雇用環境・均等部(室) | 厚生労働省HP 育児・介護休業法 |
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